皆様こんにちは。TOM1192です。
今回は、自作PCを作るにあたって、質問されることも多いので、超絶真面目に聞かれそうなことを考えて書きます。
追記事項が思いついたら更新が入ります。ご指摘があればお願いいたします。
目次です。他の語録はこちらからどうぞ。
はじめにCPU編といたします。
1.まず、CPUとは?
CPUはCentral Processing Unitの略称で、日本語に訳せば、中央演算処理装置となります。
昨今においては、Core iシリーズやRyzenとかが該当します。
2.CPUの役割とは?
CPUの役割は、多岐にわたります。このため、どれか一つというのはありません。
が、端的に言えばすべての処理をすることができるものだと思っていただいて大丈夫です。
3.CPUを作ってるのはどこ?
現在日本国内に流通しているCPUは、Intel社*1とAMD社*2の2社です。
厳密には設計と製造があるのですが、ここで説明しても意味がないので割愛します。
4.コアとスレッド、クロック数とは?
CPUにはコアの数とスレッドの数、そしてクロック数が記載されています。
この後に登場する名前の読み方と密接にリンクしていますので、先に説明します。
なお、この数字だけで性能は表せますが、この数字だけですべての性能が決まるわけでもありません。
4-1コア数
そのCPU内部に実際に処理を行う演算器がまとまったユニットがいくつ入っているかを指します。この数字が大きいほどいいですが、1個発熱が同じでも数が増えると大きくなるので、各社いろんな数のCPUを揃えています。
4-2スレッド数
そのCPUが同時に処理をこなすことが可能な数です。CPUによっては、コア数の倍のスレッド数をもつものがあり、この構造をSMT*3と呼びます。Intelではハイパースレッディングと特別な名前がついてますが、実態は同じなので気にしなくても大丈夫です。
SMTがあるのとないのとではだいたい1.3倍くらいの性能の違いがあります。
小さいように見えますが、状況によっては大きく働くこともありますので要注意です。
4-3クロック数
そのCPUが動作する速度です。こちらが大きいほど同一構造なら性能が上がっていきます。ただ、昨今ではコア数やスレッド数が増えてきた影響で、最大クロック数は5GHz台で落ち着いています。
この最大クロック数という表記には意味があって、最近のCPU(かれこれ2008年くらいから)では、定格クロック(そのCPUの本来の最大クロック数)に加えて、ブーストクロックというものが設定されています。
こちらについては、IntelではTurboBoost(ターボブースト)と呼ばれており、AMDではPrecisionBoost(プレジションブースト)と呼ばれています。
さらにIntelにはThermal Velocity Boost(サーマル・ベロシティ・ブースト)、AMDではeXtended Frequency Range(エクステンデッド・フリークエンシー・レンジ)と呼ばれるさらに高いクロック数を発揮するものがあり、この最高クロック数がいわゆる最初に述べた最大クロック数となるわけです。
4-3-1 おまけ オーバークロック
オーバークロックとは、上記の最大クロック数の条件を無視して、常時最大クロック数で動作させたり、その最大クロック数よりも高いクロック数で動作させることを指します。
同じCPUでもクロック数が高いほど性能は向上しますが、発熱も増大するのと製品の保証が消滅しますので、完全に自己責任です。
そもそもできないCPUもありますが、特に用事のない限り、触らないことが一番です。
5 CPUの名前の読み方は?
Intel社とAMD社ではそれぞれ名前の異なるCPUを製造しています。
このため、読み方も全然違います。
5-1 Intelの場合
Intel社が製造しているCPUは
- XEON(ジーオン)
- Core i9(コア アイナイン)
- Core i7(コア アイセブン
- Core i5(コア アイファイブ)
- Core i3(コア アイスリー)
- Pentium(ペンティアム)
- Celeron(セレロン)
の7種類です。
この中でさらに細かい分類が入るのですが、今回はXEONを除いた6種類で説明していきます。
ちなみに、7種類をざっくりと説明すると、
- 業務用途は俺だXEON
- コンシューマ最強のCore i9
- 侮れない強さのCore i7
- バランスのいいCore i5
- 手軽に堅実なCore i3
- 安くても悪くないPentium
- 最安は任せろのCeleron
といった感じですね。
5-1-1 最新世代(第10世代)
Intelにおける現行最新世代はCometLake-S*4と呼ばれる第10世代Core iシリーズです。
こちらにはXEONを除いたものがリストにあります(本当はXEONもあるが割愛)。
最初のCore i○と書かれたところは、型番でこの数字がどのクラスに該当するCPUであるか?を示します。
- Core i9(10コア20スレッド)
- Core i7(8コア16スレッド)
- Core i5(6コア12スレッド)
- Core i3(4コア8スレッド)
- Pentium(2コア4スレッド)
- Celeron(2コア2スレッド)
その次に数字5桁(10900や10700)はそのクラスの中での順位を決めるものです。
その後にはアルファベットがついたりつかなかったりしますが、つく条件を書くと
となります。
なお、PentiumとCeleronについては若干命名の仕方が違っていて、
PentiumにはGoldのあとに、G6○○○と書き、その後に上記のアルファベットのうちのTがついたりつかなかったりします。
Celeronは名前の後に、G5○○○と書き、その後に上記のアルファベットのうちのTがついたりつかなかったりします。
次の第11世代と互換性があります。次期に期待してもいいかもしれません。
5-1-2 第9世代・第8世代
こちらもXEONを除いたリストです。
先程の第10世代では5桁の数字でしたが、第9世代と第8世代では数字は4桁に減ります。
なお、第9世代と第8世代はコードネームこそ同じですが、第9世代では初の8コアCPUが、第8世代では初の6コアCPUがそれぞれ登場しています。
第9世代は
となり、第8世代では
となります。
同じコードネームでも中身が違うのがIntelの面倒くさいところですが、これらのCPUは相互互換があるのが特徴で、第8世代から第9世代へのアップグレードが可能な点は見逃せないところです。
5-2 AMDの場合
AMDが発売しているCPUは
の9種類となります。
表記にPROがつくCPUはとある事情の関係上です。
こちらもざっくり説明すると、
- コア数こそパワーなRyzen ThreadRipper
- 普段使いにも超多コアなRyzen9
- Core i7にも負けないRyzen7
- コスパが超絶良好なRyzen5
- 実は隠れた名機なRyzen3
- 小さいPCにはAthlon
といった感じでしょうか。
IntelCPUと違い、名前にPROとつかないモデルはオーバークロック可能という非常に珍しい仕様です。
また、型番の最後にアルファベットがつくものがあり、
- X・・・XFRの領域が大きいモデル(アルファベットなしは100MHzのみ上昇)
- XT・・・よりXFRの領域が大きくなったモデル
- G・・・内蔵GPU付き
- E・・・省電力型
となっています。
5-2-1 最新世代(Zen3)
こちらは製品数が少ないのと公式のリストが多分ないです。
第4世代Ryzenの5000番台と非常に名前がややこしいのが悲しいところですが、それさえわかってしまえば割とシンプルです。
現在発売されているのは、
- Ryzen9 5950X(16コア32スレッド)
- Ryzen9 5900X(12コア24スレッド)
- Ryzen7 5800X(8コア16スレッド)
- Ryzen5 5600X(6コア12スレッド)
の4種類です。
今後も増えるとは思いますが、そもそも2021/1時点でほとんど流通しておらず、まだまだ時間がかかると思います。
性能については同世代のIntel機以上で、現状最強格です。
5-2-2 第3世代Ryzen(Zen2)
こちらは一世代前のRyzenです。しかしこちらには4000番台と3000番台があるため、分けて説明します。
①Ryzen4000番台
こちらに関しては日本国内ではRyzen PROシリーズのみ発売されています。
上記にあった表記にPROがつくCPUのとある事情はこれが理由です。
モデルとしては、
の3種類と非常に少ないです。
すべて内蔵GPU付きモデルであり、Zen2では唯一のタイプのCPUになります。
マルチコアはほしいけどGPUを別途買いたくないという用途には向いているかも知れません。
②Ryzen3000番台
こちらは、最初に出たほうのZen2となります。
- Ryzen9(16コア32スレッドもしくは12コア24スレッド)
- Ryzen7(8コア16スレッド)
- Ryzen5(6コア12スレッドもしくは6コア6スレッド)
- Ryzen3(4コア8スレッド)
となります。
後半につく数字4桁は、
- 3950、3900(Ryzen9)
- 3800、3700(Ryzen7)
- 3600、3500(Ryzen5)
- 3300、3100(Ryzen3)
となり、この後に上にあるアルファベットがついたりつかなかったりします。
こちらも多コアなマルチコアで、IntelのCPUと互角に戦えます。
6.追加語録(CPUの仕様表に出てくるもの)
地味に紹介しきれてなかった仕様表に出てくる語録をこちらに書きます。
6-1 TDP
TDPはThermal Design Power(サーマル・デザイン・パワー)の略称で、訳すると熱設計電力となります。
端的に言えばそのCPUの設計上、どれくらいの電力を消費する可能性のことですかね。
現実的な話をすると、こちらは第2回で説明するマザーボードによって大きく左右され、TDPとはかけ離れた消費電力になりがちです。
私の語彙力ではかんたんに説明できませんので、そういったものがある程度の認識でOKです。
6-2 プロセスルール(Intelの仕様表ではリソグラフィー)
CPU製造において内部の回路に使われる配線の太さのことです。
Intelでは10nm、AMDでは7nmが現在最小サイズですが、Intelでは10nmがノートPC向けのCPUにしか提供されていないため、現在も14nmとAMDに大きく引き離されています。
配線が細くなるメリットは、
- 集積度*5が向上し、同じ回路でも使う面積が小さくなる。
- CPUの中にある回路同士の長さが短縮されることによる消費電力の低減。
- 上記に伴って回路同士の遅延が低下し、性能が向上する。
- 歩留まり*6が向上する。
といった感じにあります。
ただ、プロセスルールを進めるのは至難の業で、Intelが14nmで足踏みしているのも次期プロセスルールの10nmがなかなか完成しなかったためです。
6-3 CPU内部のPCI-Expressの帯域
現在のCPUは内部にPCI-Express(PCIe)のコントローラーが内蔵されています。
これらは主に、別途搭載するGPUやSSDに対して使われます。
IntelもAMDも主にPCIeは規格上で使用可能な最大の16レーン分を用意してそれをマザーボードに流して使えるようにしています。
もっと高価格なCPUになると、44レーンだったり64レーンと圧倒的に豊富になりますが、必要なコストもべらぼうに上がりますので気にしないほうがいいです。
といった感じで説明した第1回自作PC語録。
次回はマザーボード編です。