皆様こんにちは。TOM1192です。
今回はマザーボード編です。
目次です。他の語録はこちらからどうぞ。
追記事項が思いついたら追記いたします。意見等あればコメントでお願いしますね。
- 1.マザーボードとは?
- 2.マザーボードの種類は?
- 3.マザーボードを作ってるメーカーは?
- 4.マザーボードについてるいろんなものについて
- 5.チップセットについて
1.マザーボードとは?
マザーボードは、CPUやメモリ、GPUやHDDやSSD(各自別記事にて執筆します)をつなぐ、いわば橋渡し役とも言えるパーツです。
このため、ある意味最重要パーツであり、これがあって初めてPCが成り立つといっても過言ではありません(無論他のパーツも必須ですが…)
2.マザーボードの種類は?
マザーボードにはサイズによって複数の種類があります。
一部特殊なものを除き、流通しているもので一番大きい順番に
の5種類です。
最大サイズは各種類で決まっているものの、最大サイズを超えないかぎりはその規格範囲内という理由で、寸法は各社揃っていたりバラバラだったりします。
3.マザーボードを作ってるメーカーは?
現在日本国内で正規代理店のもとに発売されているメーカーは
の5社です。
各社特徴がありますが、ここでは割愛させていただきます。
4.マザーボードについてるいろんなものについて
さて、ここからが語録集の本命です。
写真等でうまいことどうにかします。
4-1 CPUまわり
4-1-1 CPUソケット
CPUソケットは名前のとおり、CPUを実際に乗せるための部分です。
LGA(ランド・グリッド・アレイ)とPGA(ピン・グリッド・アレイ)の二通りがあり、最初はどちらもPGAでしたが、現在ではIntelではLGA、AMDではPGAが採用されています。
双方にはもちろん互換性はないため、IntelCPUを買う場合はIntel用マザーボード、AMDCPUを買う場合はAMD用マザーボードを選ぶ必要があります。
もちろんCPUの搭載は必須。後述しますが、その上にとあるものを搭載します。
4-1-2 メモリスロット
メモリモジュールを挿入するスロットです。
マザーボードによっては2本だったり4本だったり多いものでは8本もあるものもあります。
写真では右側にラッチと呼ばれる固定具がついていて、ここを開いて押し込むことで搭載します。
こちらには最低1本のメモリモジュールを搭載する必要があります。
なお、こちらにも規格があって、DDR4やDDR3と呼ばれています。
名前が違うと物理的に差し込めないようになっていますので間違えると出費がかさみます。
4-2 PCI-Expressスロット
かれこれ10年以上前から、PCI-Express(PCIe)という内部コネクタが採用されています。
端的に言えば汎用通信用コネクタで、ここにはGPUやその他拡張カード、SSDなど複数のモジュールを差し込むことができます。
写真の部分だと、一番長いPCIe x16(PCIeの信号を16本束ねたもの)とPCIe x1(PCIeの信号が1つしか入っていないもの)になります。
ただし、注意点があり、形状は規格で設定されていても中に入る信号の束ね方は各メーカーによって異なります。
このため、写真の場合であれば、一番上を単独で使用する場合はPCIe x16がフルで使えますが、その下にある2つ目のPCIe(写真中段くらいのもの)を使う場合、一番上の信号を半分にして送るようになってしまいます。
コレは後にPCIeそのものの説明をしますので今回は割愛します。
わかりやすく言うなれば、全部使うには分割する必要がある程度の認識でOKです。
ものによっては分割自体もできないものがあります。仕様書をよく確認しましょう。
以下に種類ごとに説明しますね。
4-2-1 PCIe x16スロット(2020/1/28追記分)
PCIeにおいて一番長く、そして一番性能の高いのがPCIe x16スロットです。
最大の特徴はその圧倒的帯域の広さと出力可能な電力量で、帯域については最大256GT/s*1、出力可能な電力量はなんと75Wもあります。
GPUで補助電源コネクタを使用しないものは消費電力が75Wを下回ってるからということです。
一番目立つスロットなので、わかりやすいですね。
用途としては、主にGPU用です。
4-2-2 PCIe x8スロット
実はあんまり存在しないPCIe x8スロット。
というのも、信号線だけ8レーン分配置した、16レーンスロットを採用することが多く、あまり見られないんです。
とはいえ、全く存在しないわけでもなく、ごく一部のマザーボードではこのように採用されているものもあります。
物理的に帯域も半分になっているためか、送れる電力は3分の1の25Wになっています。
用途を例に上げると、
ぐらいでしょうか。
4-2-3 PCIe x4スロット
こちらもあんまり搭載されないことの多いPCIeスロットです。
理由もPCIe x8スロット同様、信号線だけ4レーン分配置した16レーンスロットを採用することが割とよくあるためです。
こちらはほぼ絶滅種です。見かけることはまれだと思っていただければ。
帯域は更に半分になりましたが、送れる電力は8レーンの際と変わらず25Wまで送れます。
用途としては
ですかね
4-2-4 PCIe x1スロット
こちらは空きスペースに入れられることの多いスロットです。
帯域が最も狭く*2、送れる電力も5W*3と非常に少ないですが、このスロットを使うパーツのほとんどの消費電力は非常に少ないものなので問題が発生することはまずないです。
こちらを使うパーツは割と多く、例を上げると、
と豊富です。
なお、
ちょっと特殊ですが、PCIe x1スロットに取り付けるGPUも存在します。
消費電力が怖いですが…
4-2-5 おまけ PCIeの規格について(2020/1/28追加分その2)
PCIeはいくつかのバージョンが存在します。
具体的には
- PCIe1.1(1レーンあたりの帯域が2.5GT/s)
- PCIe2.0(1レーンあたりの帯域が5GT/s)
- PCIe3.0(1レーンあたりの帯域が8GT/s)
- PCIe4.0(1レーンあたりの帯域が16GT/s)
の4つです。
基本的に世代が新しくなるほど帯域も上昇しますが、規格そのものには相互互換があり、PCIe4.0の機器をPCIe2.0で使用したり、逆にPCIe1.1の機器をPCIe4.0でも使うことができます。
ただ、後者の場合は帯域の問題はないものの、前者の場合は帯域がPCIe2.0に準拠したものまでが限界となるため、ココがボトルネック(損失)となることがあります。
現在IntelではPCIe3.0が、AMDではPCIe4.0がそれぞれ最新です。
今年中にはIntelでもPCIe4.0が利用可能になるので、この部分の差はなくなると思っていいでしょう。
4-3 M.2スロット
最近のマザーボードには、SSDやWifiモジュールを直接取り付けできる、M.2スロットというものがあります。
このM.2スロットにも規格があり、これらは切り欠きの位置で決まるようになっています(もちろん表裏もありますのでさらに注意です)。
が、ココでは割愛させていただきます。次回以降にあるSSDの解説で行う予定です。
4-4 SATAポート
旧来から続いている通信規格として、SATAというものがあります。
SATAは、Serial-ATA(シリアルATA)の略称*4で、ケーブルで通信を行うものです。
中身がL字型になっているため、差し込み方は常に一定になります。
最大転送速度は600MB/sとNVMeより大きく劣りますが、古くこなれてきた規格もあってかそれを使う製品は今も多いのも特徴です。
HDDや光学ドライブ(Blu-rayドライブ等)ではこちらを使います。
SSDでもこちらを使うものもありますよ。
ちなみに、下側の赤枠のようにマザーボードに対して正面方向にコネクタが出るような配置もあれば、上側の赤枠のようにマザーボードに対して、90度直角に曲がってコネクタが出る配置もあります。
上位のマザーボードでは上側の配置のSATAポートを採用していることがほとんどです。
使うパーツと配置にあわせて使いやすいところにつなげると良いでしょう。
4-5 USBポート
USBというものが登場して20年以上経ち、もちろんPCでもガッツリ活躍するUSBですが、マザーボードにおいてはピンヘッダ*5という形で実装されています。
USB自体の規格の種類の数だけピンヘッダも種類があるのが特徴ですね。
4-5-1 USB2.0ポートピンヘッダ
USB2.0ピンヘッダは1個あたり9本のピンで構成されたピンヘッダで、このピンヘッダ1つでUSB2.0が2ポート使用可能です。
多くのマザーボードではこのUSB2.0ピンヘッダは2個用意されており、合計で4ポート増やすことができます。
4-5-2 USB3.2 gen1ピンヘッダ(USB3.0ピンヘッダ)
USB3.2 gen1はいわゆる旧USB3.1 Gen1であり、最初期はUSB3.0と呼ばれていたものです。
規格が増えたせいで名前がややこしいですが、USB3.0ピンヘッダと覚えておいて大丈夫です。
USB3.2 gen1ピンヘッダは1個あたり19個のピンで構成されたピンヘッダで、このピンヘッダ1つでUSB3.2 gen1が2ポート使用可能です。旧来のUSB2.0に加えて各ポートに5本の追加の通信線を用意したためこのような形になりました。
このため、USB2.0と比べてピンヘッダが細くなっているのが特徴で、取り扱いを間違えると折れる可能性がありますので注意しましょう。
また、見にくいですが下側に切り欠きがあります。つまり向きがあるということですので、よく確認してとりつけましょう。
4-5-3 USB3.2 gen2スロット(USB3.1 gen2スロット)
現在PCに搭載されている最上位のUSBがUSB3.2 gen2です。
本当の最上位はUSB3.2 gen2 x2なんですが、ピンヘッダは未実装なのでピンヘッダにおいては最上位になります。
USB3.2 gen2スロットは20本の通信線で接続されます。
点対称な配置に見えますが、そのとおりでリバーシブルになっているのも特徴です。
一方で、スロット一つでUSB3.2 gen2は1ポートしか使えません。
逆に言えばUSB3.2 gen1の通信を束ねて使うのがUSB3.2 gen2だとも言えますね。
4-6 フロントパネル周り
PCにおいて、電源ボタンやマイク、スピーカーのジャックをPC前面へつなぐものを、フロントパネルと呼びます。
端的に言えば一番手に届くところについているものですね。
フロントパネル系のケーブルは、先述のUSBに加え、オーディオの入出力ジャック、電源ボタンやリセットボタン等があります。
以下に種類の説明をしますね。
4-6-1 フロントパネルピンヘッダ
PCの電源ボタン、リセットボタン、電源LED、HDDアクセスLEDは同じ場所に集約されて配置されています。
青枠の電源ランプ用LED、オレンジ枠のHDDアクセスランプ用LED、赤枠の電源ボタン、緑枠のリセットボタンという感じです。
リセットボタンと電源ボタンはプラスマイナスの向きはありませんが、電源ランプ用LEDとHDDアクセスランプ用LEDは向きがあり、逆方向に挿すと一切光らなくなりますので向きには注意しましょう。
なお、リセットボタンだけピンが3つありますが、ボタン側は2つしかなく、真ん中の「RESET#」にさえ片方が接続されていればGNDはどちらでも大丈夫になっています。
4-6-2 フロントオーディオジャックピンヘッダ
前面へマイク入力、ヘッドホン出力をそれぞれ用意するためのピンヘッダです。
フロントオーディオジャックピンヘッダは一体型のコネクタを接続しますので、フロントパネルのピンヘッダと違って、悩む必要がありません。
マイク入力とスピーカー出力がともにステレオ接続されています。
4-7 ファンコネクタ
自作PCにおいては、ファンの存在は重要です。
PCケース内のエアフローだったり、CPUクーラーだったりと活躍する場面のほうが多く、ないとPCとして成立しないくらいです。
ファンコネクタは、CPU専用のCPUファンコネクタとケース他用のファンコネクタがあります。
CPU専用のものにはマザーボード上に、CPU-FANと書かれている事が多く、マザーボードによっては別色でわかりやすくなっているものもあります(写真の感じです)。
4-7-おまけ ファンの制御方式とファンコネクタの関係
ファンコネクタは使用するファンの制御方式によって使用するピンが変わります。
具体的には、
の2種類があります。
前者のPWMファンは、1~4番のピンすべてを使用し、ファンの制御は4番ピンで行う方式です。コレをまんまPWM*6制御と呼びます。
後者の3ピンファンは、1~3番のピンを使用し、2番ピンの電圧を変化させて制御します。コレを電圧制御と呼びます。
それぞれのメリット・デメリットを書くと、
電圧制御
・メリット
- ファンの方式に依存しないため、どちらのファンでも行える。
- ファン自体のコストが安く増設しやすい。
・デメリット
- なめらかな制御には向かず、遅れた挙動になる。
- モーターの仕様上、止まった状態から回り始めるために必要な電圧が、回っているファンの止まってしまう電圧より大きいため、一度回転が止まってしまうと再回転させられない可能性がある。
・メリット
- ファンの制御が非常になめらかに行える。
- 停止を意図的に取り扱うことができ、再回転もかんたん。
- ファンコネクタ1機で多数のファンを同時制御できる。
・デメリット
- 3ピンファンと比べると多少高価。
- デザインを選ぶ場合選択肢が狭まる可能性がある。
といった感じでしょうか。
PWM制御のほうが圧倒的メリットが大きいのですが、ファンによってはPWM制御対応モデルがなかったりすることがあるので、ココに関しては好きなのを使うといいかと。
意図的に停止させさえしなければ3ピンでも制御できますので、無理にPWMファンを狙う必要もありません。
4-8 電源コネクタ
PCを稼働させるためには電源を接続しなければなりません。
2種類と非常に少ないですが、役目は非常に重要です。
4-8-1 ATX24ピン
ATX24ピンは、マザーボードが必要とする12V、5V、3.3Vを受け入れる電源コネクタです。
莫大な電流を流すので本数も多く、ケーブルも太めにになります。
かつてはATX20ピンと呼ばれていましたが、消費電力の増大にともない4ピン分増えました。
現在のPCでコレを採用しないのはACアダプター接続など事例として少ないので基本的についてます。
4-8-2 EPS12V
EPS12Vは通称マザーボード用補助電源コネクタで、最大8ピン最低4ピンとなっています。
マザーボードによってはこのEPS12Vが8ピンx2の合計16ピンだったり、逆に4ピンx1だったりと様々ですが、基本的に8ピンx1が主流だと思って大丈夫です。
こちらは名前どおり12Vだけ。とあるコネクタのせいでよく間違われますが、こちらは次回以降の予定の電源編にて…
4-9 バックパネル
マザーボードの背面側(奥側)で固定されているのがバックパネルです。
自作PCではとにかくよく使う、USBや有線LAN、オーディオ入出力やグラフィック出力が一箇所にまとまっています。
一部はマザーボードメーカー専用のものがあったりするので全部が全部同じではありませんが、だいたいは同じです。
写真でいうなら、一番左側2つのボタンはGIGABYTEさん限定のボタンです。
5.チップセットについて
マザーボードにはチップセットというものがついています。こちらはマザーボードの橋渡し役の機能の中枢ともいえるチップで、これを経由してUSBや有線LANなどの機能にアクセスしています。
仕様比較表は現在作成中ですが、こんな違いがあるんだな程度の認識で大丈夫です。
詳しいことを説明しようにも、言葉が思い浮かばなかったことをお許しくださいませ…
今回はここまで(2021/1/29更新)。
第二弾はとりあえずここまでとします。追記あればまた書きますので次回分をお待ちください。