Tom’s PCparts Blog With Other Games

主に自作PCと惑星WTのネタをぶち込むブログ

Intel初の実戦向けグラボシリーズの最上位、「Intel ARC A770」はWarthunderで4K環境下でも使えるのか

皆様こんにちは。TOM1192です。

今回は2022年よりdGPU部門に復帰を果たしたIntelのグラボ、Intel ARCの最上位版であるA770を今更ながら購入したので、特にXeSSの観点から検証をしたいと思います。

 

 

1.今回購入したもの

www.pc-koubou.jp

今回購入したのはSPARKLEのA770です。

同社はA310~A770全部で製品がラインナップされており、うちA310とA380ではロープロファイルモデルがあり、A580とA750はデュアルファンのショートモデルが用意されているほか、A750とA770にはトリプルファンの大型モデルがさらに用意されています。

今回はその中でも最上位に属するA770 TITAN OC Editionとなります。

全長はトリプルファンゆえに300mm超えとなっており、厚さは2.5スロットほど。

全高はブラケット+1cmほどで間違いなくちゃんとケースを選ばないと干渉すると思います。

なお、補助電源コネクタは8ピンx2で取り付け位置がブラケットと同じ高さとなっているので高さ方向の干渉が少ないところはうれしいポイントです。

 

ちなみに、重量級なのか当製品にはグラボステーが付属しています。

アルミ製のしっかりしたモノなので、別途追加で買う必要はなさそうです。

 

2.Intel ARCの特徴

デスクトップ向けの単体のグラボとしてはここ最近で最後発となったIntelですが、もともとiGPUの歴史が長いだけあって性能以外の機能はかなり充実しています。

初のグラボながらNVIDIAのRTX4000番台およびAMDのRX7000番台以降でしかできないAV1コーデックを使用したHWエンコードが可能であったり、まだモニター側の対応が進んではいないものの、DisplayPort2.0が使えるなど変なところで突出しています。

 

また、中間格のA580以上からはVRAMを256bitで8GB搭載するなど案外帯域が広いのも特徴で、最上位であるA770ではこの価格帯では皆無の16GBのVRAMを搭載する希少なGPUとなっています。

製造のプロセスルールはAMDのRX7000番台同様のTSMC 6nmで製造。Intelと名前が付きながらも自身で製造していないというのもある種かなり珍しいとも言えます。

 

そのほかの独自機能として、NVIDIAのDLSSやAMDFSRに相当するXeSSが搭載されています。

特徴としてはDLSSに近く、取り扱い上はオープンソースのはずですが対応するゲームでも主にARCでしか使わせてくれないこともしばしば。

 

ちなみに、大きなデメリットとして、ゲームのサポート面がまちまちでありモノによっては描画がおかしくなること、NVIDIAのRTXシリーズで使えるノイズキャンセリング機能ことNVIDIA Broadcastなどの便利機能の代替品が存在しないことがあげられます。

また、おま環かどうかは不明なものの、私の保有するモニター(Acer ConceptD CP7)との相性が微妙に悪く、Windows上で画面を認識できない事象が発生しています。

このモニターはG-Sync Ultimateに対応した純緑特化のモニターであるところが個人的に可能性として考えています。

 

2024/6にモニターをINNOCNの32M2Vに置き換えたところとりあえず認識周りの不具合は解消したっぽいので、やはりG-Syncチップとの相性が主だったようです。

 

3.検証環境

tomspcparts.hatenablog.com

前回の記事のメイン機のグラボだけを入れ替えて試験します。

RTX3090との価格差は購入当時で18万円くらい。

4万少々のグラボがどこまで頑張るのか見物でしょう。

 

 

4.検証結果

タイトル通りWarthunderにて検証。各解像度でグラフィック設定プリセットの「最大」を適用して検証します。

動作の再現性を高めるため、リプレイを垂れ流す形で行います。

試験的にWT標準のベンチマークを実施したところスコア差が僅差だったのであまり効果がなかったという側面もあります。

今回のテストに使用したグラフィックス設定

4-1 FHD(1920x1080)

youtu.be

垂直同期上限が144fpsであるため負担も約7割程度。録画の都合も多分あるので瞬時的なフレームレート低下を除けばほぼ上限目一杯を常に維持可能。

ただ、VRAM消費が当然のように8GBに迫っているので16GBの恩恵も少なからずあるのだろうとは思われます。

 

4-2 WQHD(2560x1440)

youtu.be

ワンランク上の解像度なのでGPUの負担が100%に。ちょくちょくフレームレートの低下は起こるものの垂直同期上限の144fpsの比率も比較的高め。

XeSSナシならこれくらいが実用上限かもしれません。

4-3 4K(3840x2160)

www.youtube.com

GPUの負担100%なものの、4Kでも80~130fpsは維持できるほど案外パワフル。

4万円代で買えるグラボとは思えない実用性の高さがあります。

 

これらの動画はすべてXeSS無効化状態で撮影されており、XeSSを使うと4K144pも実用範囲に入ります。

まあ流石にRTX3090のネイティブパワーには劣るのでそれまでではありますが…

 

5.総評

ドライバの成熟度を除けば比較的コスパが良いグラボに属すると思いました。

惑星においてのXeSSはDLSSとほぼ同一の効果を発揮し、4K環境でもちょっとしたグラフィックス設定の調整で楽しめます。

一応XeSSを使わなくてもプレイは楽しめるのですが、負荷が高くなりすぎるとエラー落ちが発生するときがあるので、有効化しておくほうが安牌なのかもしれません。

 

一方でMSI AfterBurnerによるチューニングを受け付けず、そのわりにARCの純正ソフトではチューニングの範囲が非常に狭く、まだまだ改良の余地が見受けられるグラボでもありました。

 

Intel自身がdGPUに手を出したのが久々なのもありその性能をしっかりと発揮するのにまだまだ時間がかかりそうではありますが、現段階でもRTX4060Ti 16GB版やRX7600XTと比較して最安4万円以下と安く大容量のVRAMが手に入るA770の存在は自作PC勢の惑星WT民にとって一部希望の星になるのかもしれません。

なお2ランク下のA580は25000円少々とエントリー向けグラボの価格で買えてしまう状態となっています(最初期のA750のほうが安いとか言わない)

予算がつけばそのうち「A580で作る惑星WT向けPC」なんてモノを作るかも…?しれません。

 

いずれにせよ、BTOでは基本的に選べないグラボなのでその性能を知る人もいないうえに、純粋な知名度に劣ってるので納得っちゃ納得だなぁとも同時思いながら今回はここまで。

 

追伸:A380の記事のアクセス量が多いですが、自身が一番驚いています。

こちらの記事も見てIntelグラボの布教に繋がればうれしい限りです。

 

6.追記(その他ベンチマークについて)

とりあえずやっただけではありますが、その他のベンチマークの結果も貼っておきます。お手元の結果との比較にご使用ください。

 

6-1 3DMarkシリーズ

SpeedWay

TimeSpy(Extreme)

FireStrike(Ultra)

FireStrike(Extreme)

 

6-2 FF14 黄金のレガシーベンチマーク

FF14 黄金のレガシー(4K)

FF14 黄金のレガシー(WQHD)

FF14 黄金のレガシー(FHD)