Tom’s PCparts Blog With Other Games

主に自作PCと惑星WTのネタをぶち込むブログ

2022年にして2010年のGPUが新規販売されるという珍妙なお話

皆様こんにちは。TOM1192です。

半導体不足によるGPU含めた製品の値上がりが収まらずずっと高止まりしている現状ですが、今回はついに2010年のGPUが2022年になって新品で発売されるような出来事が発生してしまったので記事を取った次第です。

 

 

1.まずはそのニュースを…

prtimes.jp

上記にあるように、今回発売されるモノはMSIのGT730搭載のグラボです。

公式サイトのほうは、

jp.msi.com

こちらとなっており、仕様は、

  • 接続・・・PCIe 2.0x16
  • コアクロック・・・700MHz
  • メモリ容量・・・2GB(DDR3)
  • メモリバス幅・・・128bit(512MBx4)
  • 映像出力・・・DVI-D DualLink x1、D-Sub 15pin x1、HDMI1.4 x1(内同時使用は2つまで)
  • 消費電力・・・49W

という代物です。

 

2.何がヤバいのか

これだけ見れば何の変哲もないただのGT730なわけなんですが、この当時のNVidiaさんは平気で同じ型番で世代の異なるGPUを採用することがわりと普通にあり、そしてこのGT730もその例外ではありません。

しかもGT730にはもう一種類存在し、こちらは700番台と同じコア(Kepler)を採用しているため、名前だけでの判断は困難となっています。

 

で、今回のGT730はあろうことか悪いほうのGT730であり、現在サポートが終了したFermiのGPUとなっています。

リネーム元はGT430という、AMDのリネーム商法の権化ともいえるRadeon HD6450とほぼ同期とかいう代物であり、発売開始は「2010年」ですでに12年前のGPUとなっています。

 

そのコアどこから湧いてきたんや…と思わなくもありませんが、Biostarさんが2011年のIntelチップセットであるH61のマザーを新品で発売したりするあたり、どこかで細々と作られているということなんでしょう…

 

ちなみに、GT730は700番台コア(Kepler)と400番台コア(Fermi)があるという記載をしましたが、そもそも両者ともにメインストリームのサポートは打ち切られており、Fermiのほうにいたっては2019年を最後にドライバのアップデートも入っていないないという状況です。

 

なお、GT730のKepler版とFermi版の見分けかたは、メモリのバス幅が128bitか64bitのどちらかであるかです。

128bitがFermi版で64bitがKepler版となっていますのでここでしっかりと見分けましょう。

また、消費電力もKepler版のほうが低いので、ここでも見分けられます。

いずれにせよ、孔明の罠をしかけるNVidiaはどうかしてるぜ…

 

3.購入はアリ?

前述のとおり、GT730はいずれもサポートが打ち切られているGPUですが、Fermi世代は数少ないWindows XPをサポートする最後の世代であり、古い資産を運用する方には購入の検討の価値が十分にあります。

また、内蔵GPUの存在しないRyzenなどにも活用の価値も見出せますが、こちらで使用する場合はGPUのデコード性能が問題となるため、同じGT700番台でもGT710のほうがまだマシでしょう。

発売価格は約4400円と非常に安いですが、フルHDまでしか出力できない問題もあったりするので、汎用性を取るなら下位のGT710やKepler版GT730を買う方が幸せになれる公算が高いです。

 

2022.3.20追記

Twitterのフォロワーさんより、HDMIとDVIそれぞれでWQHDまでは出せるはずとのご報告をうけました(ブツには記載がないので確定ではありませんが)。

この場にて訂正しておきます。

こちらはGT710のグラボ。お値段は+1000円ほど。

VRAMが1GBとちょっと心もとないですが、それでも価値はあります。

 

こちらはKepler版GT730。お値段は+500円ほどで、GT710よりも安いという珍妙な状態となっています。

普通に買う分にはこっちのほうが最適でしょう。

こちらもGT730ですが、接続がPCIe2.0x1というスーパー汎用型GPU

単に動作確認だけするなら最強格といってもいいほど。

ただ、お値段はGT730としてはかなり高い(+8000円ほど)ため、同じ値段であればサポートが継続中のGT1030を選ぶのも手でしょう。

 

追記:買いました

詳細はこちらからどうぞ。

 

tomspcparts.hatenablog.com

 

こちらはお値段+7000円ほど。そのかわりHDMIは2.0となっているために4K60p出力が可能なほか、NVdecの世代が新しいのでVP9までのHWデコードが可能になっているなど、機能面では上位種らしいメリットがあります。

一方で、NVencはオミットされてしまっているため、HWエンコードをする場合はわざと上記のGT730を選ぶのもアリでしょう。

 

結局のところ、

  • GPU性能や機能の低さを妥協してまで映すためだけ低価格で導入したい
  • 古い世代のハードウェア環境をスタンドアロンで使いたい

という方々以外は買わないほうが賢明なグラボです。

白色なことは確かに珍しいっちゃ珍しいですが、そのためだけに買うにしても割に合わなさすぎるので、ぶっちゃけスルーしておけばOKです。

 

4.さいごに

このご時世に2010年製GPUコアが新品で出てくるとは思わなかったです。

っていうくらい使う価値が薄いGPUです。

 

ところでRTX3000番台の値下がりが海外で始まったらしいですね。

日本に影響が出てくるのがいつになるのかはわかりませんが、こういうグラボが出てこなくても済むくらいの充足度になればいいですね。

 

ってなわけで今回はここまで。

次回は未定です。