みなさまこんにちは。TOM1192です。
今回は、前回の記事の実質続きみたいな代物です。
が、見なくても最悪成立するようにはなってるので、見なくても大丈夫っちゃ大丈夫です。
↑前回はコチラから。
NVEncは世代が複数あり、この差によってできることが変わってくるのでその差を記事にしてやろうと画策したわけです。
まあ、Wikipediaとかで見れば一瞬っちゃ一瞬なんですが…
1.NVEncとは
Nvida社が作っているGPUに内蔵されている、ハードウェアエンコードシステムのことを指します。
初実装はGTX600番台こと初代KeplerのGPUで、現在はRTX3000番台が最新世代となっています。
なお、ハードウェアエンコードということはハードウェアデコードもあるわけで、こちらはNVDecと呼ばれています。
2.各世代解説
初代~現在までは合計で7世代あります。
基本的にGPUの型番が世代に直結してますが、一部違うヤツが存在するので注意が必要です。
参考元は以下の2つです。
2-1 Kepler(第1世代)
- GT(X)600シリーズのほとんど(GT630~GTX690)
- GT(X)700番台のほとんど(GT710~GTX780Ti)
- 初代GTX TITANシリーズ(TITAN・TITAN Black・TITAN Z)
が該当する世代です。
例外はGT610~630(128bit)、GT730(128bit)となります。
ただし、GT630・GT730には64bit版が存在し、こちらはKeplerとなるので、非常に面倒です。
この時代では、H.264のみをサポートし、クロマサンプリングはYUV420までと決して多機能とは言えませんが、基本的な機能としては使えるため、最悪配信用のグラボとして使えるというわけです。
まあ、どっちにせよ8年~9年前のグラボ集団なのでピンポイントで狙うのも…というのはあります。
要するにコレとかはアウトっていうわけです。
むしろ買う人のほうが少ないとは思われますが…
2-2 初代Maxwell(第2世代)
デスクトップ向けではGTX700番台の一部のみが該当する世代です。
ノート向けにしかGTX800番台がいない関係上、かなり空気な存在です。
- GTX750
- GTX750Ti
の2種でお目にかかることができます。
特徴としてはYUVが444となってより高彩度な表現が可能になったり、ロスレスエンコードができるようになったりしたほか、スループットも前世代比で倍になっているようです。
ただ、この世代でも使えるのはH.264まで。といっても使えないわけではありません。
Keplerよりははるかにマシです。
なお、現在サポートされている最古の世代となっています。
2-3 第2世代Maxwell(第3世代)
- GTX900番台(GTX950~GTX980Ti)
- GTX TITAN X(Maxwell)
が該当します。
この世代からH.265(HEVC)のエンコードに対応し、実用十分といえるのはこの世代以上から。
ただし、HDRでの配信・録画はまだ先です。
普通の環境なら十分使えるでしょう。
2-4 Pascal(第4世代)
- GTX1000番台(GTX1050~GTX1080Ti)
- GTX TITAN X・GTX TITAN Xp
が該当しますが、GT1030だけはそもそもNVEncを搭載していないので使用できません。
この世代からHEVC10bitの録画・配信が可能になります。
つまり、HDR配信はここから可能ということですね。
配信用のグラボを別途導入するということであればこの世代以上を選ぶのが吉といえるでしょう。
2-5 Volta(第5世代)
- GTX1650(TU117)
のみが該当します。
聞きなれない世代ですが、それもそのはず。
こちらはQuadro・Teslaにしか存在しないコードネームだからです。
機能面では先代と変わらないので、新品で狙うのならこちらもアリでしょう。
2-6 Turing(第6世代)
- GTX1650の一部(TU116とTU106採用モデルのみ)
- GTX1650S~GTX1660Ti
- RTX2000番台(RTX2060~RTX2080Ti)
- TITAN RTX
が該当します。
一番上のGTX1650については、ごく一部の製品が上位のGTX1660(TU116)やRTX2060(TU106)のコアと同じものを使用している事例が存在するせいであり、基本的に存在しないモノと思っていただいて大丈夫です。
一応見分け方としては補助電源を要求しているところで可能ですが、国内では2製品しかないので引き当てる率のほうが圧倒的に低いです。
GTX1650(TU116)
GTX1650(TU106)
2-6 追記 GTX1650(TU116)について
昨今ではTU117を採用せずにTU116を採用し、補助電源を搭載しないものも存在するそうです。
こちらはその1種。
TU116を使用してかつ補助電源を使わないのはある意味希少ではあるので、マザーを選ばないのはうれしい要素です。
この時代からはH.265においてBフレームが使えるようになり、配信ではあんまり機能しないと思われますが、実エンコードではビットレートを維持しつつファイルサイズを削減できるようになっています。
配信用としてサブで使うならGTX1650S以上を選びたいところです。
2-7 Ampere(第7世代)
- RTX3000番台(RTX3050~RTX3090Ti)
が該当します。
基本的には先代と同じなようで、できることも何一つ変わりません。
そもそもサブで使うくらいなら本命になる世代です。
適当に買うよりは上位種を狙うのが賢明でしょう。
3.実際買うとしたら?
サブで使うことを第一前提条件とするならば、補助電源が不要なGTX1050、GTX1650がよさげではあります。
VRAMの多さをとるならRTX3050も検討価値はありますが、サブに使うには過剰性能すぎるところがあります。
なんにせよ、サブに全力を吐かせるくらいなら最初から強靭なグラボを選定するのが吉でしょう。
また、サブのグラボを活用するにしてもPCIeのレーン数が限られる以上、マザーボードのほうも吟味する必要もあるので、決してお手軽とまでは言えません。
4.さいごに
OBS使うなら別にどの世代でもOKっちゃOK。
後は消費電力と電源の仕様に沿って選定するのが吉でしょう。
自身が使っている「Mirillis Action!」を使ってHDR配信なんぞしようもんならGTX1050以上を選んじゃいましょう。
まあ、ほんとに最後に言いたいことがあるとするなら
サブグラボに任せないといけないようなクソグラボなんぞ買うな
ということです。
ケチったらあとで絶対に跳ね返ってくるので、その場しのぎみたいな使い方はともかく、長期運用は絶対にオススメいたしません。
金を積め。さすればすべては解決する。
ってなわけで今回はここまで。次回は知りません。