Tom’s PCparts Blog With Other Games

主に自作PCと惑星WTのネタをぶち込むブログ

ネットワークは分業化、のススメ

皆様こんにちは。TOM1192です。

TLに流れてきた

のソレに対して、個人的にオススメなネットワークの分業化についてざっくり話そうかなぁと。

 

 

1.無線ルータのお仕事と問題点

無線ルータのお仕事は機種によってはいろいろあるんですが、基本的に無線APと有線ルータの2つのお仕事があります。

だいたいの機種には有線のハブ機能も備えてるので3つのことが多いのはあります。

姿こそ違えどスマホテザリングも無線APと有線ルータといったところです。

つまるところ、1台で二役から三役ものによればそれ以上こなすスグレモノ…のはずなんですが、逆に多機能化しすぎた結果、その最大性能を発揮しようとするとその処理を行いきれない状態に陥るリスクがある程度あります。

これがいわゆる熱暴走であり、コレが起こった場合ルータとしての必要最低限の仕事すらこなせなくなる=ネットワークのダウンというわけです。

 

まあいうまでもなく当然のお話ですし、PCやスマホを触る人ならなんとなーくその話が分かるかと思います。

 

ちなみに、ルータにかかる負荷のレベルとしては有線に関する負荷よりも無線に関する負荷のほうがはるかに大きいです。

理由は複合化・暗号化を行った上でその電波を送出・受信する必要があるためです。

 

このため、有線だと全然落ちないのに無線の通信で落ちるという事象がよく起こります。

 

2.その改善策とそれぞれのメリット・デメリット

ではどうすれば対処できるのか?というお話になるわけですが、その対処方法は概ね2つあります。

2-1 機器の冷却を強化する

負荷で熱暴走に至るのならばソレを冷やせばいいだけのお話です。

具体的な方法としてはファンによる送風です。

・メリット

①初期投資は安い

だいたい2000円少々とUSBのACアダプタ1基で事足ります。

ちょっと余分にお金を出せば台付きのものまで買えます。

②設置場所の制約がやや少なめ

ルータの台にしろファンにしろ風の当て方次第で置き場所の制約は少ないほうです。

ちゃんと風さえ当たっていれば冷えはします。

 

③今ある機器の変更を求められない

機器を増やさず冷やすので当然設定周りもいじる必要もなく、再設定する項目が増えることもありません。

 

手間は最小限で得られる効果も十分と見た目以上に良いように感じます。が、

・デメリット

①構造上無騒音にはできない

まあファンで冷やすのですから当然です。

扇風機の音が静音にしても無音にはできないのと同じくファンも当然無音にはなりません。

寝室やワンルームの場合、設置場所次第では逆に問題となるリスクもあります。

 

②ファンが埃を引き寄せる

ファンによる送風を行うということは当然部屋の埃もそこに来るということを意味します。

ファンがなかったときよりも埃がたまるのは避けられません。

こういったパーツで対応もできますが、そこの掃除を怠ると結局熱暴走の遠因となるのでこまめな掃除が求められます。

 

③その性能に限りがある

ファンを当てればもちろん冷えますが、そもそもファンレスで運用するのを前提として作られた機器である以上、通風に適した構造でなかったり通風方向がファンに対して合わないということも十分にあります。

製品によっては「下から上」や「後ろから上」みたいにパターンが異なるので、その製品にあった冷却方式を構築しようとするとせっかくのコンパクトさが失われる可能性も十分に考えられます。

 

2-2 無線ルータを増設して分業する(今回のオススメ)

こちらのアプローチは仕事量が多くておかしくなるなら仕事量を分散させればいいじゃないというモノです。

冷やせないなら熱くならないようにすればいい。と聞こえはいいんですが、もちろんメリット・デメリットだってあります。

 

・メリット

①得られる効果が大きい

今回の手法の場合「ルータはルータ、無線は無線」とそれぞれ別の仕事をこなすように割り振るため、使えるリソースが非常に大きくなります。

別の仕事に手を出す必要がないのですから当然っちゃ当然ですが、1つの仕事だけにパワーを振れるというのは思った以上に効果的です。

 

②無理に冷却性能向上を図る必要がない

リソースを分けるということは仮に同じ仕事量でも1台あたりの仕事量が半分になるということであり、使うパワーも少なくなります。

つまり発熱しにくくなるということでもあり、ファンレスの機器であるルータたちの冷却性能の範疇に収まるというわけですね。

 

③後継規格への対応が楽

もし無線の規格が新しくなったり同じ規格でもより高速なモデルにしたいとなったときに無線部分だけの更新で対応できます。

ルータの機能に不満がなかったり故障しない限り、そっちに触る必要がないということです。

また、通信業者側からの貸し出し品ルータを使用している場合、そちら側の機能を残しつつ無線を強化するという形にもできますね。

 

違う形でパワーでごり押す構図となりますが、

・デメリット

①初期投資の幅があまりにも大きい

後継規格の対応が楽になる反面、あまりにも安くすると無線の仕事すらこなせない一品を選ぶリスクがあります。

最新規格に対応したりしようとすると否が応でもある程度の出費が必要であり、ファンを買うよりは必ず高くつきます。

まあそりゃ同じ機器を2つ買おうってもんですから倍値になるのは致し方ありません。

 

②スペースはそこそこに食う

2台置く場所が必要なので並べて置こうがそうでなかろうが物理的にスペースを食います。

当然PoEみたいに電源をLANケーブルからとるタイプじゃない場合もれなくコンセントも必要になりますし、配置の自由度はあんまり高くありません。

また、並べて置くにしてもその場所が閉所の場合結果として熱がこもりやすくなるため必然的に開放的な場所が求められるというところもあります。

 

③更新時は毎回設定がリセットされる

機器の入れ替えだけで世代交代ができるのはメリットですが、当然移行したら再セットアップが必要となります(まあ1台でも交代すればリセットなのは同じではありますが)。

ただ、最近の機種では引継ぎもできるモノがあるので案外楽に移行できることもままあります。

 

3.実際の例(自室の場合)

私の場合は、契約している回線が「ソフトバンク光(1Gbpsファミリープラン)」なので、その高速性を発揮するのに専用のレンタルルータ(光BBユニット)を別途必要とします。

もちろんこのルータにも無線機能は搭載されているのでコレ単体でも機能しますが、このルータにはクソな部分があり、冷却のルートが狭い空間で下から上へ流れるような構図となっています。

つまり、安易に熱暴走に直結しやすいルータであるという意味でもあり、実際全く同じ回線の実家で熱暴走とおぼしきダウンリンク事象が発生したことがあるので間違いありません。

 

光BBユニット。底面側と天板側に排気口がある

このため、無線APとしてバッファローのWXR-5950AX12を追加しています。

追加したWXR-5950AX12。スペックには問題はないものの別の問題がある。

当時最上位だったWiFi6対応のルータです。

機能面には問題がなかったものの、最大で10Gbpsリンクが可能なWANポートが1Gbpsリンクで安定しないという違う問題を抱えています。

このため、間に10Gbps対応のスイッチ「QNAP QSW-M408-4C」を別途追加して運用しています。

10G対応ネットワークスイッチ。なお購入目的は別。

前述のソレも購入理由の一つですが、もともと20Gbpsリンクを試したいというのが本質だったので似たようなことをしない限り、こんなブツを買う必要はありません。

かれこれこの状態から2年以上は運用していますが、回線そのものの不具合以外で落ちたことはほぼありません。

基本的に長時間安定して稼働しています。

 

4.購入のコツ

無線APとして二台目のルータを購入する場合、必ず守るべきことがあります。

4-1 全ポートは必ず最低1Gbps対応品にする

よっぽど低価格品以外ソレを引き当てることはありませんが、小型なルーターほど1Gbps対応すらオミットしているパターンがあります。

こちらはあくまで極端な例です。

ある程度のサイズはあるに越したことはありません。

 

4-2 動作モードは物理スイッチで選べるモデルにする

コレの理由はいたってシンプル。意図しない動作を防止するためです。

ただ、物理スイッチがついているからといって絶対に設定できるわけではないという地雷機種もあります(主にエレコムであるという話が…)

そういう意味ではNECバッファローは確実に選ばせてくれるので問題ないです。

 

4-3 無線の規格は最低でも1ランク下程度に

低価格帯だと持てる機能は制限されます。

それは無線の規格も同様で、昨今のスマホタブレットの通信の規格の仕様上、WiFi6を最低限使えるようにしておくに越したことはありません。

また扱う端末が多い場合、MU-MIMOという搭載しているアンテナの数だけ通信を柔軟に割り振る機能があるかどうかも確認するといいでしょう。

 

6E以上はどうしても高くなるのと、対応機種が限られるので今すぐは必要ありません。

そもそも回線の契約が10Gbpsでもない限り1Gbpsを超える通信帯域が有効に作用する場面は非常に少ないと思ったほうがいいです(前述のMU-MIMOの機能を有効活用する場合はその限りではないですが)

 

4-4 トップクラスにオススメできないメーカー

あくまで個人的主観に基づくという前提ではありますが、

の2社はあんまりオススメできません。

特にTP-Linkは純粋なコスパがいいものの、Macアドレス(機器本体に付与されている固有のアドレス)が全く同じになっているといった事例が散見されるのでルータは買わないほうが賢明でしょう。

逆にスイッチハブとかはこの2社でも問題ないです。

 

5.さいごに

別に読まれることを期待して作った記事ではありませんが、読んで参考になったのであれば幸いです。

まあ正直な話、過去の経験に基づいてこの方式が良いと思って紹介しているだけなのでこれが最良というわけでもありません。

分業化の場合はデメリットの項で上げた通りの制約がありますし、その常々の状況に合わせて自分なりに改善していくのが答えだと思います。

 

ただ、いずれの方法も定期的な再起動や清掃によって維持できるのでそのあたりも忘れずにやるのもよりよく維持する秘訣だと思います。

 

ってなわけでここまで。実態としてお気持ち表明みたいなところは否めませんがご容赦を…