皆様こんにちは。TOM1192です。
今回はジャンカー界隈では未だ現役と言われるCore 2世代についてです。
もう、タイトル落ちではあるんですが、結論から言えば、
「産廃」
です。
ただ、コレだとあんまりすぎるので今回はCore 2の諸性能と合わせて説明していきます。
1.Core 2シリーズとは?
Intelが2006年(15年前)に発表・発売を開始したCPUです。
4コアのCore 2「Quad」、2コアのCore 2「Duo」が主なシリーズで、前代のPentium Dから低消費電力化と高性能化を果たしたいわばIntelにとってのターニングポイントとなったCPUです。
また、Intelのコンシューマ向けとしては、初の4コア(正確には2+2コア)となったCPUで、このあと約12年間(Core iシリーズ第8世代のCoffeeLakeまで)コンシューマ向けは4コアが続くこととなります。
ソケットには前代から継続して、LGA775を採用しています。
ただ、Core 2 Quadの4コアはCore 2 Duoを2個載せた構造であったものの、2コアと2コアの間の転送速度が致命的に遅かったので、中途半端な性能になることが発生してしまうという欠点があります。
後世に似たようなMCM(Multi Chip Module)なCPUであるRyzenと違って、CPUのダイ間を直接結ぶバスが確立されていなかったがゆえに起きた欠点でした。
とはいえ、時代的にはかなり優秀なCPUであったといえます。
2.諸性能
当時こそ、高性能でもてはやされたCPUではありますが、時は2023年。
8コアや16コア、ましてやハイブリッドで24コアが当たり前となった時代では遅れたCPUとなっています。
その性能は現在のIntelのデスクトップ向けCPUの最下位ブランドであるCeleron G6900とせいぜいタメが張れる程度なうえ、ワンランク上のPentium Gold G7400との対決となるとスレッド数が同じでも約2.5倍のスコア差。
Core i3-13100との比較に至っては約5倍のスコア差をつけられており、見るも無惨な性能です。
しかも、命令形に関してもAVXすら対応していないためエンコードなどの処理も不利です。
また、当時はPCIeも初期版のPCIe 1.1なため、転送速度は3.0(8Gbps)の約3分の1(2.5Gbps)。
4.0(16Gbps)となれば約7分の1、5.0(32Gbps)に至っては1.1の16レーン(40Gbps)とほとんど変わらない始末です。
GPUに際してもUEFI専用が当たり前の現在においてはレガシーBIOS対応が残っているのはおそらく2017年前後の製品が限界。
SATAも6Gbpsではなく3Gbpsが最大。USBは2.0が標準であり、USB3.0は最後期にボチボチ別途チップを載せて対応(ただしPCIeが1.1なため仕様上2.5Gbpsが限界)。
チップセットにGPUが内蔵されていた世代ではあるものの、D-SubやDVIがメイン。
HDMIも最後期にごく一部が搭載していたような記憶があります。
メモリは最後のほうでDDR3に対応。とはいえDDR2がメインであったのは事実です。
もちろんチップセット・同内蔵GPUのサポートなんて切れてます。
オマケにCPU自身の脆弱性(MeltdownとSpectre)も当然緩和措置もありませんし、ハード的な対策も二度となされません。
もうどの点をとっても現状の用途で使うには完全に「ゴミ」なCPUであることは間違いありません。
3.一番の問題点
CPUとしての世代遅れは間違いないにしても更に大きな問題があります。
それは経過年数です。
この時代のCPUはとりあえず頑丈なので、CPUは大丈夫なことが多いんですが、それを搭載するマザーボードがどうあがいても10年近く経過したものしかないという状態であるため、耐久性に問題を抱えこんでいます。
また、ジャンカーで買う方々も割とそれを忘れた使い方をする場合があり、ただでさえ少ない寿命を酷使するという本末転倒も甚だしいような状態です。
経過年数が過ぎたコンポーネントは換えがきかなくなっていくため、いくら安いとはいえ、無理をさせるコンポーネントではなくなっているのです。
4.使い方を見出す
ここまで散々な評価を出したわけですが、産廃なのは今の用途で使うことであり、今の用途じゃないなら十分価値があります。
ざっくりと挙げていきましょう。
①レガシー遺産を運用するためのPC
Core 2世代の時期のCPUが主流だったころのOSはWindows XP・Vista・7が主ですが、これらすべてはすでにサポートが終了しています(7に関しては有料でサポートが継続されているものの、主に企業向けなため実質終了しているのと同じ)。
特にWindows XPを運用するにはうってつけのハードであり、XPに対しては圧倒的な適正を持つため、古い**ゲーをしたりするには欠かせません。
仮想PCでも実行自体はできるでしょうが、所詮は仮想。ハードで動かすものとはわけが違います。
また、同時代のMacOSを運用するのもアリでしょう。
個人的には最推しの使い方です。
②ストレージサーバー(いわゆるNAS化)
24h起動自体はマザーや電源には良くないものの、1Gbps環境程度なら負荷に耐えられます。
メモリも最大8GB前後と容量は多くないものの、低予算でNASが作れるという観点においては検討に値する選択肢といえます。
なお、さっきのCeleronを使ってNASを作るほうがいいのは間違いないんですけどね…
ちなみに私はAMDのモバイル向けCPUで作りました。
③Linuxで遊ぶPC
ただ、インストールの敷居こそは低いものの、取り扱いに多少の知識を必要とするため、ある意味中級者向け以上の選択肢です。
なお、選定するにあたってLinuxではトップクラスに有名な「Ubuntu」は避けましょう。
アレはもう重量級に片足半分突っ込んだLinuxです。
もちろん、Linuxを使う場合であっても、酷使は避けてあげましょう。
5.今後Core 2シリーズを買う人に向けて
上記の点を正しく理解した上で、とにかく丁寧に使ってあげてください。
Windows10以降のインストールはもってのほかです。
ソレをするくらいなら中古でNUCでも買ってください。そのほうが幸せになれます。
電子機器は繊細です。
やりたいようにやりすぎるのは結果寿命を大きく損ねてしまいます。
最後に、彼らはもう老人です。
ムチを打つのではなく、寄り添って使ってほしいと切に願うばかりです。