Tom’s PCparts Blog With Other Games

主に自作PCと惑星WTのネタをぶち込むブログ

よくわかりそうでよくわからないけど、わかった気になる「USB」のそれ

皆さんこんにちは。TOM1192です。

今回は、皆さんがよくお世話になっている「USB」についてです。

長くなるかもしれませんがご了承ください。

 

 

 1.USBとは

USBは「Universal Serial bus」の略称で、日本語に訳すると「汎用シリアル通信用端子」といったところでしょうか。

シリアル通信とは、データを1ビットずつ送る通信方法です。

当時のシリアル通信の主といえば、Dsub9ピンを用いる「シリアルポート」ぐらいしかいませんでした。

なお、当時のPCの内部コネクタといえば、IDEもといUltraATA(ParallelATAともいう)が主流であり、後のスタンダードとも言えるSerialATA(SATA)はまだ登場していませんでした。

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Dsub9ピンのシリアルポート用ケーブル。2000年初期のPCには付属することが割とある。

さて、そんな最中に登場したのがUSBというわけですが、標準でUSBを使えるようにしたのはWindows98SE(SecondEdition)とMacOS8.6からで、実に23年前の規格となっています(登場自体は1996年と25年前で筆者と同い年です)。

そして、拡充され今に至るというわけですね。

 

2.USBの種類

前述の通り、USBは登場から23年も経過した規格ですが、かなりの拡充が加えられ、もはや原型をとどめていないのが現状です。

が、下位互換性だけは現在も確保されており、USB1.1の機器をUSB3.0で使用できますし、逆も可能です。

そんなわけで歴史を振り返ってみましょう。

2-1 コネクタ形状

USBは主にPC側のA型コネクタと機器側につなぐB型コネクタの2種類に別れます。

昨今ではどちらでも利用可能なC型コネクタが登場し、スマホなどで主流となっています。

 

2-1-1 A型コネクタ(Type-A)

いわゆるUSBといえばコレというやつです。

PCや充電器、ゲーム機などあらゆるところで見ることができます。

お株を万能型のC型に奪われつつありますが、旧世代の互換性などの関連と汎用性の高さとコスト面から、今もなお最多のUSBとなっています。

 

2-1-2 B型コネクタ(Type-B)

機器側に採用されるコネクタです。

サイズ順に、

  • Type-B
  • Mini Type-B
  • Micro Type-B

が存在し、USB3.0では形状が変化(コブみたいなのが生える)のでケーブルの互換性がなくなるという面白いですが、残念極まりない欠点が存在します。

あくまでUSB3.0以降のケーブルがUSB2.0以下の端子との互換性がないだけで、USB2.0以下のケーブルはUSB3.0のコネクタにも差し込みができます(ただし速度はUSB2.0以下に準ずる)。

スマホではMicro Type-Bが採用され、万能型のC型に移り変わってはいるものの、今も見かけることができます。

 

なお、共通の欠点として、サイズが小さくなるほど接続パワーが弱くなっていくものがあり、特にMicroにおいては、ゆるゆるになるほどです。

そのせいもあってかC型への置き換えが急速に進んでいます。

 

2-1-3 C型コネクタ(Type-C)

現状最新のコネクタです。

表裏がなく、A型B型それぞれの機能を内包しているのが特徴で、まさに真の万能型といえるコネクタです。

スマホやPCでも採用例は増えており、後述するUSB-PDの登場もあってか、ノートパソコンなどではACコネクタすら排除したものまで存在します。

速度の規格もこのC型に合わせて作っているため、今後はこちらが主流になると思われます。

 また、唯一映像信号を送ることのできるUSBケーブルで、Type-C Alt DP Modeと呼ばれています。

なお、同一形状のケーブルを使用するものとしてThunderBolt3があり、後述するUSB4になります。

2-2 速度規格

USBは登場から23年も経過しただけあって、速度規格が多種多様に存在します。

2-2-1 USB1.1(USB1.0も含む)

USBが生まれたときの規格です。

最高転送速度は12Mbpsであり、半二重通信(送信時は受信が不可能)といった仕様でした。

USBの可能性の始まりとも言えますね。

 

2-2-2 USB2.0

2000年4月に登場した規格です。

最高転送速度は480Mbpsと40倍となりました。このあたりからUSBメモリなど現在も使われるものが登場し、USBが万能コネクタになり始めます。

また、このときからUSBポートからの供給電力が定められました(最大500mAまで)。

 

2-2-3 USB3.0(→USB3.1 Gen1→USB3.2 Gen1)

2008年に登場した規格です。

最高転送速度は5GbpsでUSB2.0比で12.5倍、USB1.1比で90倍となっています。

また、ここから全二重通信(送信と受信を同時に行える)が可能になっており、劇的な高速化を果たしています。

さらにUSBポートからの供給電力がほぼ倍(900mA)になり、より電力消費のある装置を使えるようになりました。

なお、B型コネクタにおいては悲劇が発生しています。

現在ではUSB3.2 gen1とも呼ばれていますが機能上の差はありません。

 

2-2-4 USB3.1Gen2(→USB3.2 Gen2)

2013年に登場した規格です。

最高転送速度は更に倍の10Gbpsに到達。SATAの転送速度をフルで活用できるコネクタとなりました。

USBポートからの供給電力が微増(1000mA)になっていますが、コレ以外の変更点はありません。

また、USBのC型はこのあたりから登場しています。

 

2-2-5 USB3.2 Gen2 x2

2017年に登場した規格です。

転送速度は更に倍(20Gbps)へと到達し、ここからは端子がC型のみの規格になります。

このため、供給電力は最大3Aまで到達しており、全くの別物とも言えます。

ただ、後述する規格のせいか、この規格は現状採用例が少ないのが実情です。

なお、USB3.2 Gen1 x2(5Gbps x2=10Gbpsとしたもの)というものもありますが、USB3.2 Gen2で事足りるためか、製品として見かけることはありません。

2-2-6 USB4

現在最新のUSB規格で、転送速度は更に倍の40Gbpsへ到達しました。

なお、USB4は名前こそUSBですが、ThunderBolt3という規格がベースとなっているためUSBの皮をかぶったThunderBoltです。

基礎的な部分はThunderBolt3に近い仕様となっていますが、TB3を取り扱うかどうかはPC側のコントローラー側の仕様にゆだねられます。

ゆえに転送速度が40GbpsであってもTB3の互換性を持っていない場合、デバイスはUSB3.2の動作となります。

なお、USB4ではTB3を基礎に置いた関係上、PCIe信号の出力が可能になったほか、DP-Altモードも標準搭載となっています。

 

ちなみに、PC側のUSB4の性能や仕様はコントローラーに依存しますが、USB4のハブはTB3を必ず取り扱えるように取り決めがなされているため、TB3のハブとして使用することが可能です。

ただし、映像出力に関してはDP1.4までの対応となっているものの、iGPU経由の場合はその仕様が優先されるため、確認してから使用しましょう。

 

多分規格として世界一ややこしいシロモノなのは間違いありません。

 

 3.USBの電力

USBは2.0より1ポートあたり500mAという形で定義されていますが、これはあくまでPCから提供されるという前置きがつきます。

このため、スマホの普及にあわせて、USBの専用電源供給規格が別で定められました。

コレが、「USB-BC」と「USB-PD」となります。

なお、規格外ですが同様の技術として、「QuickCharge(QC)」があります。

3-1 USB-BC

正式にはUSB-Battery Chargeという名称になります。

名前の通り、バッテリー充電用の規格となり、本来USB2.0で不可能であった500mAを超える電力を供給するために用意した規格です。

最大供給電力は5V x1.5A=7.5Wで、従来のUSB2.0の3倍、USB3.0でも約1.6倍と供給性能が向上しました。

最近のスマホは最低限コレに対応しており、2.0AのACアダプタが店頭に売られてるのもコレが理由です(昔のスマホは1000mA以下の充電しかできなかったという意味でもある)。

なお、規格の最大値が1.5Aから分かる通り、2.0Aのアダプタであっても1.5Aまでしか流れていないんですがね…

 

3-2 USB-PD

USB-BCの後継規格で、USBによる汎用電源供給を担うために用意された規格です。

最大のポイントは、電圧が可変となったことで、最大供給電力は20V x5A=100Wという全く別物になっています。

ただ、コレを実現するためにUSB端子はC型のみに限定されています(登場当初はA型B型も使用可能ではあったそう…)。

スマホにおいては、急速充電の主流となっている規格になっており、据え置き機と携帯機の統合を行った、Nintendo SwitchもUSB-PDによる給電を行っています。

なお、電圧は可変ですが、充電器側と機器側にそれぞれ設定が用意されており、その設定が双方で一致したものでしか給電がなされないという仕様になっています。

このため、Nintendo SwitchのACアダプタではスマホは充電できるものの、急速充電はなされません(設定が5Vと15Vしか存在しないため)。

 

最大電力100Wが示すとおり、ノートパソコンから電源入力が消える原因にもなっています。

ただ、ゲーミングノートなど100Wを超える電力を要求される製品がまだ存在するため、電源入力が淘汰されるにはまだまだ時間がかかります。

 

3-3 Quick Charge(QC)

スマホのSOC(Socket On Chip)の会社で有名な、Qualcomm社が開発したUSB充電規格で、同社のCPUである、Snapdragonでしか動作しないという特殊なものです。

なお、最初に規格外と書いたとおり、本来のUSBの仕様から剥離した動作となっているために特にケーブルの負担が大きく、場合によっては発火の可能性があるという規格でもありました。

USB-PD同様、電圧を可変させて供給電力を向上させるのが特徴ですが、USB-PDとは違いA/B型コネクタでも使用可能であったのが特徴です。

現在はUSB-PDが完成したのに合わせて、そのおまけとして実装されており、規格内に収まっています(逆に言うと時代が追いついたというのが正解かもしれません)。

なお、似たような仕様の独自充電規格がありますが、割愛させていただきます。

 

 

4.最後に

多分説明できてないような気がします。

コレで理解できたら多分割と元からわかってる人な気がします。