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自作PCにおけるよく使うかもしれない語録07(電源編)

皆様こんにちは。TOM1192です。

今回はPCのにおけるすべての供給源である電源です。

 

tomspcparts.hatenablog.com

 目次です。他の語録はこちらからどうぞ。

 

 1.電源とは

PCにおける電源は、いわゆる直流安定化電源と呼ばれるものです。

コンセントからはAC100Vが出ていますが、これをDC12V・5V・3.3Vに変換するのが電源となるわけです。

 

2.電源の種類

電源にはサイズによって、種類が分かれています。

2-1 ATX電源

日本国内では最も安価にかつ一番流通している電源です。

容量単価*1も最安で、選択肢も豊富です。

一方で寸法自体も最大で、ATX電源といいつつとてつもなく大きいものもあるため、ケースとの兼ね合いをよく確認する必要があります。

特に1000Wを超えると全長が伸びる傾向が多く、ハイエンド構成にしようとすると失敗する可能性もあります。

具体的な数字を述べると、全長130mm程度まではだいたいのケースに付きますがそれを超えてくるとケースによっては入りません。

 

現在の最大出力はコンセントのめいいっぱいの1300Wです(厳密には1600W品もあるが日本国内ではその1600Wは出ない)。

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よくあるATX電源の図。基本的にコレが主流。

2-2 SFX電源

ATX電源から一回り小さくなったのがSFX電源です。

容量単価は上がりましたが、サイズがコンパクトなぶん取り回しも非常にしやすいというのが特徴です。

一方で最大出力は850Wが限界。コンパクトではありますが、強力すぎる需要には耐えられないのである意味玄人向けです。

全長はだいたい100mm程度ですが、高さと幅がそれぞれ20mmずつぐらい減っています。

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ATX電源(左)、SFX電源(右)の比較。めっちゃコンパクトなのがわかる。

2-3 SFX-L電源

SFX電源から全長を伸ばすことで電源容量と静音性を両立させたものです。

しかし、こちらは正規な規格ではなく、SilverStone社があくまでそう命名しているだけです。

が、実質そういう形で流通してるので記載しておきます。

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SFX電源(左)、SFX-L電源(右)の比較。全長が伸びているのが特徴。

実際電源容量に関しては1000Wまであり、SFX系統では最大です。

 

2-4 TFX電源

いわゆるメーカーPCの電源です。

全長はATX電源より長いですが、全幅全高ともに半分以下となっており、いわばカステラの切ってないやつみたいな見た目をしています。

最大出力は700Wまでありますが、はっきり言って700Wを消費する方法を知りたいです。

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ATX電源(左)、TFX電源(右)の比較。細長いのが特徴。

2-5 FlexATX電源

実は私もよくわかりません。個人的にはTFXをつぶしたイメージだと思っていただければ。

最大出力は500W。用途もコンパクトPC向けが主なせいか目立ってないです。

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FlexATX電源(左)、TFX電源(右)の比較。全長が縮んで薄くなった。

 

2-おまけ 比較図

ちなみに全部比較するとこんな感じになります。

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左から順に、ATX→STX→STX-L→TFX→FlexATXとなっている。

 3.電源の品質の規格

10年以上前から、自作PCおける電源には品質を評価する第三者機関ができました。

その名も「80Plus」

20%、50%、100%の電源使用率の全てにおいて、80%以上の変換効率をもつ電源に対して付与されます。

詳しい仕様についてはWikipediaに任せます(語録じゃないし)。

ja.wikipedia.org

 

ここで登場した変換効率は逆説的に言えばどれだけ発熱しないかという値でもあります。

というのも、変換の際のロスはすべて熱に変換されるためでどうあがいても熱は放出されてしまうのです。

電子部品はその熱に弱いので、発熱が少ないほどパーツの寿命も伸びるというわけです。

 

4.電源コネクタ

自作PCの電源にはいくつかのコネクタがあり、それぞれを適切につなぐことで初めて動作します。

2作目のマザーボード編といくつかかぶる要素はありますが、かわしようもないので各種説明します。

 

4-1 ATX24ピン

 

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コレがATX24ピンコネクタ。正確には旧来から存在するATX20ピンに4ピン足している。

 

PC電源におけるメインコネクタです。必須とも言えるシロモノで、実はPC電源のON信号を受け取るケーブルでもあります。

PC自身の駆動に必要な12V、USBなどの機器に5Vや3.3Vを複数ピンから供給しています。

 

4-2 EPS12V 4+4ピン

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EPS12Vコネクタ。写真においては4ピンを二個連結した8ピンとなっている。

前述のATX24ピンコネクタのなかでもあったようにPC自身を駆動に必要な12Vを追加で供給するケーブルです。

最低でも4ピン、多いものでは8ピンx2だったりと大きく異なります。

が、多いものでも最低の4ピンがあれば動くようにはなっています(推奨はされませんがね)。

ちなみに、4+4ピンと記載したのは、後述のコネクタと瓜二つなためです。

 

4-3 PCIe補助電源コネクタ 6+2ピン

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写真の左側にあるのが、PCIe補助電源コネクタ。

6ピンと2ピンに分かれるようになっているのが特徴。

PCIeスロットに接続する機械(GPUなど)に使われる追加で電源供給を行うコネクタです。

写真はさらに後に説明するSATA電源→PCIe補助電源へ変換するものですが、基本的にこういうものは使わないことを推奨しています。というのも、あくまで大電力を送る設計ではないので、GPUによっては補助電源コネクタからの供給を優先しているものがある関係上、変換コネクタから発火する可能性があるためです。

ハイエンドパーツを使う場合は基本的に電源も強化してあげるのが安定性と寿命向上の秘訣です。

 

なお、前述のEPS12Vとほぼ瓜二つですが、見分け方は6+2に分かれる関係上で6ピン側にラッチがつくのがPCIe補助電源、4+4ピンに分かれる関係上で端にラッチがつくのがEPS12Vコネクタとなります。

 

4-4 SATA電源コネクタ

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SATA電源コネクタ。通信用のSATAケーブル同様L字型になっているのが特徴。

HDDやSSDなど、SATAで動く機器のために用意された電源コネクタです。

実はPC電源規格と別な規格で仕様が定められていて、かつては3.3V、5V、12Vをそれぞれ供給し、HDD側の仕様に合わせて使われていましたが、現在は5Vと12Vのみとなっており、3.3Vの場所には別途通信用のコネクタが割り当てられています。

akiba-pc.watch.impress.co.jp

実際にコレが問題となったパターンです。当記事では、後述するペリフェラル電源コネクタから変換することで動作問題を解決したようです。

 

4-5 ペリフェラル4ピンコネクタ

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ペリフェラル4ピンコネクタ。SATA電源コネクタ以前から活躍する老兵である。

SATA以前のHDDなどに使用されている、汎用電源コネクタです。

5V、12Vを供給し、2000年代初頭ではガッツリ主流のコネクタでした。

現在でもSATA電源コネクタへ変換したり、一部の機器で使われている関係でだいたいの電源に1つは用意されています。

 

4-6 FDD電源コネクタ

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FDD電源コネクタ。もはや骨董品レベルではあるものの、1つは用意されている。

FDD(フロッピーディスクドライブ)用に使われていたコネクタです。

構造は小さくなったペリフェラルコネクタで、供給する電圧も5Vと12Vである点も同じです。

ファンコンなどで使われることもありますが、ほとんどの場合で使われることのないコネクタです。が、ペリフェラル電源用のケーブルの一番先についていることが多いです。

 

 

5.電源のケーブル接続方式

PC電源には3種類の接続方式があり、価格に大きく左右しています。

5-1 直結式

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直結式電源。ケーブルが根本から全部出ているのが特徴。

基本的に格安電源で多く採用されている方式です。

ケーブルがすべて電源に直付けされているのであとから増やしたり減らしたりすることができませんが、その分容量に対する価格が安くなっています。

一方で、使わないコネクタも全部くっついた状態であるために、使わないコネクタをケース内に押し込む必要があります。

当方では一番オススメしないタイプです。

 

5-2 セミプラグイン

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セミプラグイン式電源。一部コネクタが取り外し可能になっている。

後述するフルプラグイン式と比較してセミプラグインと呼ばれています。

絶対に使用するATX24ピンとEPS12V 4+4ピン(製品によってはPCIe補助電源コネクタも)のみを直付けとし、SATA電源やペリフェラル電源などを取り外し可能にしたものです。

PCIe補助電源コネクタやSATA電源コネクタを使用しない環境下ではスッキリさせることができるので非常に便利です。

価格は直結式よりは値上がりしますが、使用感は直結式を遥かに上回っています。

初回購入なら間違いなくこのタイプが失敗しません。

 

5-3 フルプラグイン

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フルプラグイン式電源。すべてのコネクタを取り外し可能にしている。

すべてのコネクタを取り外し可能にした電源がフルプラグイン式です。

ATX24ピンやEPS12Vすらも取り外し可能にしたため、電源の後付自体が可能になっている点が一番の特徴で、配線の自由度もダントツで高いです。

一方でお値段が結構上昇することも多く、先述のセミプラグインと悩むことも多いかと思われます。

予算があるならこのタイプは最強解となるでしょう。

 

今回はここまで。

次回はケース編です。

*1:Wあたりの価格