皆様こんにちは。TOM1192です。
今回は、2022年2月末に開催されていた、Amazonのタイムセール祭りで購入した、NASのレビュー記事です。
↑今回購入したのはコレですね。
さて始めていきましょう。
1.外観
実はもう設営しちゃってるので、詳細な状態はお届けできませんが、HDD2基が入ってるわりには非常にコンパクトです。
ルーターの隣においても邪魔にならないサイズなので、設置場所には非常に困らないかと思われます。
2.仕様
同サイトから引っ張ってきたものですが、
- CPU・・・Marvell Armada382 Dual Core 1.33GHz
- メモリ・・・512MB
- HDD・・・最大2基(SATA)
- USB・・・3.0x1+2.0x2
- NIC・・・2.5Gbps対応x1(1Gbps、100Mbps、10Mbpsも使用可能)
となっており、同社の謹製完成済みNASとしては現状最上位種に属する代物となっています。
使用可能なRAIDは0と1の2つ。それに加えて独自の拡張ボリューム(RAID1に近い)の計3種となります。
なお、HDD無しのモデルも存在しており、各個人でHDDを導入して運用することも可能なほか、RAID1の延長線上のシステムであるため、HDDの交換による容量拡張も可能となっています。
当方が購入した8TBモデルでは、4TBのHDDが2つ搭載されており、中身はWDのNAS向けHDDであるREDの4TBモデルが搭載されていました。
3.諸性能
HDD自体の性能はおおよそ150MB/s~180MB/s前後と推測され、初期状態では準RAID1状態であるため、書き込み性能が若干弱めで読み込み性能は容量にも依存しますがHDDの8~9割くらいの性能は発揮します。
Amazonのレビューによると、シーケンシャルライトの山が3GBにあるらしく、それを超えるとライト性能が低下するらしいです。
というわけで、Crystal DiskMarkで実際に速度の山があるかどうかを測定してみました。
なお、メーカー記載の最高性能(226MB/s)はRAID0モードであることが前提条件となっているため、絶対にその性能は出ないということを念頭に置いたうえで結果をご覧になっていただけば幸いです。
測定範囲は16MB~16GBで行いました。
ただし、測定結果自体にばらつきがあるため、この数字が絶対に出るとは限りません。
3-1 MTU値が初期値(1500bytes)での結果
それでは実測結果をどうぞ。
3-1-1 結果に基づくグラフと評価(シーケンシャルアクセス)
MTU値が初期値(1500Byte)における結果は以上のようになっています。
シーケンシャルライトは全領域で85MB/sを超える性能となっており、HDDらしい挙動です。
ただ、HDDの本来のシーケンシャルライトの半分程度しか出ていないあたり、RAID1に準ずる挙動を処理する性能が足りないと思われます。
なお、16MB~16GB通して書き込み速度の大きな低下は見られなかったほか、むしろ大きくなると若干改善がみられるため、NICの性能に左右されていた可能性もありそうです。
シーケンシャルリードに関しては、2GB~4GBに谷があるように感じられますが、なぜか8GBで172MB/sというHDDのほぼフルスペックが出ている不思議な結果が出ました。
また、16MB~256MBまではメモリキャッシュかHDDのキャッシュ内に収まる範囲なため、2.5Gbpsの上限値に近い数字が出ているのも特徴的ですが、内蔵されているメモリ容量MAXのはずの512MBになると一気に低下するあたり、実際に使えるのは300MB程度と推察されます。
とはいえ、総じて118MB/s以上のシーケンシャルリードが出ているため、1Gbpsの壁を突破していたことは高評価といえるでしょう。
3-1-2 結果に基づくグラフと評価(ランダムアクセス)
こちらは順当に容量が大きくなるほどおおよそ低下していくグラフとなっています。
256MBまではメモリキャッシュのおかげで大きなスコアが出ていますが、512MB以上ではキャッシュあふれが発生しているためスコアが一気に低下し(68MB/s→11MB/s)、HDD特有のランダムアクセスの悪さが顔を出すようです。
ただ、そもそもメーカー謹製NASにランダムアクセスをするような状況は基本的に複数人での同時使用以外では発生しないので、1個人がファイル鯖として使う分にはその問題点はデメリットとなりうるほどではないと推察されます。
逆にいえば、複数人での同時使用が懸念される場合はそれ相応のアクセス性能しかないという前提認識をもったうえで活用していただければかと思います。
3-2 MTU値が4KB(ジャンボフレーム)での結果
3-2-1 結果に基づくグラフと評価(シーケンシャルアクセス)
基本的に挙動は同じですが、全体的に高速化されています。
同じキャッシュのゾーンでもシーケンシャルリードがほぼ2.5Gbpsの上限値を攻めており、ジャンボフレームの恩恵がしっかりと出ています。
ただ、初期値で飛びぬけていた8GBはふつうなスコアになったのに対し、逆に4GBで飛びぬけたスコアが出たのは興味深い要素です。
3-2-2 結果に基づくグラフと評価(ランダムアクセス)
こちらもおおむね全体的な高速化が果たされています。
1Q1Tのスコアがほぼ横ばいなのはこのあたりが真の意味で限界値であると推察されます。
ジャンボフレームは十分機能しているといえるでしょう。
3-3 MTU値が9KB(ジャンボフレーム)での結果
3-3-1 結果に基づくグラフと評価(シーケンシャルアクセス)
小容量のシーケンシャルリードが低めではあるものの、シーケンシャルライトは結構出ています。
また、初期値の時と同じように8GBでのスコアが飛びぬけているのはまたしても面白い状態といえます。
とはいえ、ジャンボフレームの恩恵をガッツリ受けているとはいいがたく、このNASでは使いにくいのかもしれません。
3-3-2 結果に基づくグラフと評価(ランダムアクセス)
初期値や4KBよりも小容量のランダムアクセスでは高速ですが、大容量のランダムアクセスにはやや弱くなる傾向があるようです。
ランダム性能をガッツリ使う用途は思い浮かばないのである意味無問題ではあるかもしれません。
4.MTU値の差で各値を比較してみた
各MTU値のグラフと評価はしましたが、結局どれくらいの差があるのかはわかりにくいとは思うので、今度は各スコアをMTU値の差でどれくらい変動しているのかを比較します。
4-1 シーケンシャルリード Q8T1
全体的に4KBのジャンボフレームが優位なスコアとなりました。
1GB未満は最速であり、2GB以上でも極端な速度低下は見られないのも一目でわかります。
4-2 シーケンシャルリードQ1T1
こちらでも4KBのジャンボフレームが優位なスコアを出しています。
が、1GB~2GBにかけては9KBのジャンボフレームが優位になったり、8GBにいたっては最速を叩き出すなど、一部で逆転現象が見受けられるのも特徴的です。
それでもバランスの良さは圧倒的に4KBですね。
4-3 シーケンシャルライト Q8T1
シーケンシャルライトに関しては、4KBと9KBが強めです。
おそらく分割数の削減によって書き込みのCPU負荷が減ったおかげで改善されたものであると推察されます。
ただ、大容量すぎると悪化するところもありますね。
4-4 シーケンシャルライト Q1T1
小容量帯は9KBが、大容量帯は4KBが強めです。
NASに置くデータサイズで使い分けるといい感じかもしれません。
4-5 ランダムリード Q32T1
小容量帯では9KBジャンボフレームが圧倒しています。
また、512MBを超えてもほとんど誤差レベルの差であるため、ランダムリードは9KBの勝利といってもいいでしょう。
ただ、共通して512MBを超えると速度が低下するのは面白いですね。
4-6 ランダムリード Q1T1
こちらは4KBジャンボフレームの圧勝です。
といっても限界値が12.2MB/s前後にあるようで、誤差っちゃ誤差レベルなのでどれでも困ることはなさそうです。
4-7 ランダムライト Q32T1
僅差ではあるものの、全体的に4KBジャンボフレームが一番優秀なスコアになりました。
とはいえ、こちらもどれでも困るレベルの差は出ないですね。
4-8 ランダムライト Q1T1
限界値が12.2MB/s付近にあるのは同じですが、全体的に4KBジャンボフレームが優秀となりました。
スコア低下が少ないのは非常に良いですね。
5.総論
メーカー謹製とはいえ、HDDの諸性能がだいたい発揮できる良いNASです。
また、DTCPにもこっそり対応しており、TV用として使う分にも十分実用的と思われます。
消費電力もTrueNASを運用するよりははるかに低消費電力(27W MAX73W)であり、24h365d運用であっても電気代を気にするレベルではなさそうです。
なお、ジャンボフレームに関しては、PC側・間のハブがそれぞれ対応している必要があるため、要確認のうえ設定をお願いします。
間違えて設定すると、設定画面すら開けなくなる可能性があるので要注意です。
4KB・9KBのそれぞれの良さがあるので、自身の使い方に合わせて設定していただければ幸いです。
というわけで今回はここまで。
真面目なレビュー記事は初めてなんでは…?