皆様こんにちは。TOM1192です。
今回はメモリ編です。
目次です。こちらからどうぞ。
1.メモリとは
メモリはいわゆる主記憶装置と呼ばれるもので、PCにおいてはすぐに取り扱いたいデータを一時的に保持するために用意するものです。
もちろんCPU内部にもそれに相当する機能はついているのですが、サイズの関係上容量にも限りがあるので、それを補助するために用意されたのがメモリこと主記憶装置というわけです。
2.メモリの規格
現在日本国内で使用されているPCでは
- DDR4
- DDR3
の2種類のメモリが使われています。
DDRというのはDouble Data Rateの略で、クロックの立ち上がりと立ち下がり部分で2回通信することで高速に通信するというものです。
ちなみに過去にはDDR2とDDRという名前のメモリが存在していました。
今でも旧世代PCではみることができるかもしれません。
3.メモリの主要表示
メモリには規格がありますが、その規格の中でもさらに細かく表示がなされています。
つまり、ここから語録集です。
3-1 メモリクロック
そのメモリが動作検証されたメモリクロックです。
DDR4-「3200」の4桁が実際に動作するクロックです。
が、この数字通りに絶対に動くわけではないというのがメモリクロックの面倒かつややこしいところです。
このため、高クロック品を買って動かなかったとしても相性の問題の可能性が大きいです。
不安であればショップで確認してもらうのも手ですね。
メモリクロックは条件によって2種類に分けられます。よく確認して購入しましょう。
3-1-1 ネイティブメモリ
そのメモリの標準電圧*1のときのクロックで動作させるタイプのメモリです。
現在はDDR4では3200MHz品までがネイティブメモリ品として流通しています。
判断基準としては、後に説明するタイミングと電圧を確認するといいでしょう。
- DDR4-3200 CL22 1.2V
- DDR4-2666 CL19 1.2V
- DDR4-2400 CL17 1.2V
- DDR4-2133 CL15 1.2V
表記としてはこんな感じになります。数字が合わない場合は後述するOCメモリの可能性が高いです。
3-1-2 OCメモリ
メモリチップを選別し、電圧を上げて本来のメモリチップより高いクロックで動作させたタイプのメモリです。
ネイティブクロックはDDR4-2666~DDR4-3200のものを使用しており、これらをより高いクロック(DDR4-3600やDDR4-4133など)で動作させています。
また、後述するタイミングが同じクロックでも小さいのが特徴で、同じクロックだとより高性能になります。
一方で電圧を上げてクロックを上げているため、ネイティブメモリよりも動作しないときは徹底的に動作しません。
ある程度知識を手に入れてからのほうが安全かもしれません。
なお、メモリ電圧はDDR4では1.35V(+0.15V)のものがほとんどです。
3-1-2補足 XMPについて(7/5追記)
OCメモリにはXMPというものに対応しています。
XMPとはeXtrime Memory Profileの略称で、Intelが策定したOCメモリ用の動作設定のことです。
なお、前述の通り本来はIntel専用の代物なんですが、AMDも後にA-XMPという形でその動作設定を読み込めるようにしているため、双方でも使用できるというわけですね。
3-2 ランク
メモリには、片面実装のシングルランク、両面実装のデュアルランクの二種類に分けられます。
シングルランクはメモリチップの枚数が少ないため、より高クロック低遅延のメモリを作り出すのに向いていますが、容量に限界があり、現在では1枚あたり16GBが限界です。
デュアルランクはメモリチップを両面に実装しているため、大容量化に向いていますが、一方でチップ枚数が多いため、高クロックメモリの選択はかなり限られています。
1枚あたりの最大容量は32GBと非常に大きくなりますが、マザーボードによってはそのメモリ容量を認識できない可能性もありますので、マザーボード側の仕様表を確認する必要があります。
3-3 ECC
ECCというのはメモリに内蔵されたエラー訂正機能のことです。
一般的なメモリには搭載しておらず、サーバーやワークステーションなどエラー訂正そのものが要求される場合を除いて、気にする必要はありません。
が、ECCメモリ自体が特殊なものなので、メモリチップが片面16枚以上ついているものは絶対に購入してはいけません。
なお、Intelでは普通のメモリしか使えず、AMDはECC-Unbufferedまでは使えますが、ECC-Registeredメモリは使えません。
このため、間違ってECCメモリを差し込むと起動すらしません。
3-4 メモリタイミング
メモリにはタイミングというものがあります。
これは、端的に言えば遅延時間ですが、メモリを選ぶ上で一番難しい要素であり、OCメモリにおいては一番厄介な要素です。
というのもこの数字は小さくなればなるほど遅延が減るわけなんですが、数字を小さくするためにメモリ電圧を調整したり、逆にメモリクロックを落とす必要があったりと非常に大変です。
逆にそのタイミングを大きくするとメモリクロックを上げやすくなるわけなんですが、そうすると遅延が大きくなって総合性能は低下するというジレンマに陥ります。
これを聞けば、OCメモリがあのクロックであのタイミングを達成していているのがいかに難しく大変であるかがわかるかと思います。
4.メモリの物理サイズ
メモリには標準のDIMMとノートPC向けのSO-DIMMの二種類があります。
基本的にSO-DIMMは前述の通りノートPC向けなんですが、ごく少数になぜかSO-DIMMを採用したデスクトップ向けマザーボードがあったりします。
先述のとおりごく少数しか事例がないので気にしなくても大丈夫です。
こういう変態マザボがあるっていう認識程度で思っていただければ…
さて、今回はここまで。
追記箇所が思いついたらまた記載します。
*1:DDR3なら1.5V、DDR4なら1.2V