Tom’s PCparts Blog With Other Games

主に自作PCと惑星WTのネタをぶち込むブログ

10年間で変わったPC環境(CPU:2010年編)

皆様こんにちは。TOM1192です。

最近Twitterで自身でCPUやGPUの知識を収集し、まとめてる方がおられました。

かれこれ自作歴そのものは4年程度な私ですが、知識の収集を開始したのは10年前。

10年間で何が変わったか、ちょっと振り返っていこうかと思います。

今回はCPUの2010年編です。

 

今から10年前というと、だいたい初代Core iシリーズが発売されてそこそこ経過したころです。

初代Core iシリーズは、色んな所で今までのCPUと大きく異なりました。

まずはソケット。前世のCore2世代と異なり、ハイエンド向けにはLGA1366、メインストリーム向けにはLGA1156が採用されました。

なお、この世代以降はほぼ毎世代以降ソケットが変更され、下位互換性はありません(ごく一部の変態MBを除く)。

第一にCPU構造。前身のCore2世代では2コアのCPUを2つのせた4コア構造をとっていたのに対して、初代Core iシリーズ(Core i7 900番台・800番台、Core i5 700番台)は初めて4コアを1ユニットに収めた構造となりました。

構造そのものはAMDPhenomシリーズで先を越されていたものの、この構造の採用でCore2Quadシリーズにあったコア間をまたいで処理する場合の遅延がなくなり、より高スループットな処理が可能になったのです。

また、最上位のCore i7 980Xなどは初の6コアモデルが登場。仮想マルチスレッドのHyper Threading Technology(以降HTと記載)と合わさり、コンシューマー向けとしては破格の12スレッドを実現しました。

そして、CPUクロックを自動的に定格以上に動作させる、Turbo Boostが導入されたのもこの世代からです。当時のTurbo Boostはまだ未完成で、今ほど柔軟なブーストがかかるわけではありませんが、今後の礎となった機能の内の一つですね。

 

初めてCPU内蔵GPUというものを実装したのもこの世代です(Core i5 600番台、Core i3 500番台)。これまではチップセットに内蔵もしくは外部GPU(NvidiaGTXシリーズや現AMDのRadeonHDシリーズ)に頼る構造でしたが、この内臓GPU搭載を実現したことで、よりコンパクトな基板設計を可能にしました。

 

この世代からチップセットに使うチップが1つになっています。

ただし、メインストリーム向けに作られたP55、H57、H55、Q57だけです。Core i7 900番台は2チップ制のチップセットです。

これまでは2チップ制のチップセット(例:X58 + ICH10R)という構造だったわけですが、初代Core iシリーズからはチップセットにメモリコントローラとPCIeコントローラーが統合されました。

Core i7 900番台は2チップ制ではあったものの、メモリコントローラはCPU内蔵になり、X58との通信は専用バスであるQPI(Quick Pass Interface)が採用され現在もなお最速の通信バスです。

コレにより、チップセットの消費電力が削減され、上述のCPU内蔵GPUの実現も相まって今後の標準となっていきます。

 

一方でAMDはというと、Phenom IIシリーズを投入していました。

CPUソケットはAM3。間にAM3+が存在するものの後継のAM4が登場するまでなんと7年間も主流であったソケットでもあります。

チップセットは2チップ制。こちらもメインストリーム向け(GPUなしモデル)に関してはAM4登場までずっと続きます。

ただ、AMDのソレ以降の特色ではありますが、チップセットしかり今後登場する内蔵GPUが強力なのが特徴で、Intelのソレとは一線を画する性能を誇りました。

メインストリーム上位としてPhenom II、下位にAthlon IIを採用。

コア構造は同じなものの、3次共有キャッシュがAthlonにはなかったりと廉価版相応の構造となっています。

当時のAMDのCPUに特殊なものがおり、各種2コアと3コアモデルに関しては4コアから不具合のあるコアを無効化したものでした。故に一部のMBではその不具合のあるコアを意図的に有効化するというアプローチが行われており、実際に有効化できた例もあったようです。ただし不具合のあるコアなので使えたものなのかは定かではありません。

上位のPhenom IIには6コアモデルも登場。この6コアモデルにはIntelのTurbo Boostに相当するTurbo Core機能が追加されており、負荷のかかったコア数に応じて自動的にクロックが向上するという点は同じであったといえます。

 

この時代は意外と双方しのぎを削って戦いあってた時代です。同年末発表、翌年発売のとあるCPUから時代が大きく変わります。

 

オマケ

当時のコードネーム(カッコ内はプロセスツールを指す)

Intel

ハイエンドデスクトップ向け(HEDT)

Bloomfield(45nm)・・・4コア8スレッド(Core i7)

Gulftown(32nm)・・・6コア12スレッド

メインストリーム向け

Lynfieled(45nm)・・・4コア4スレッド(Core i5)、4コア8スレッド(Core i7)

Clarkdale(32nm)・・・2コア4スレッド(Core i5Core i3)、2コア2スレッド(PentiumCeleron)

 

AMD(プロセスツールはすべて45nm)

Phenom IIシリーズ

Thuban・・・6コア6スレッド(Phenom II X6)

Deneb・・・4コア4スレッド(Phenom II X4の上位モデル)

Zosma・・・4コア4スレッド(Phenom II X4 Thubanから2コア無効化)

Heka・・・3コア3スレッド(Phenom II X3 Denebから1コア無効化)

Callisto・・・2コア2スレッド(Phenom II X2 Denebから2コア無効化)

Athlon IIシリーズ

Propus・・・4コア4スレッド(Athlon II X4)

Rana・・・3コア3スレッド(Athlon II X3 Propusから1コア無効化)

Regor・・・2コア2スレッド(Athlon II X2 Propusから2コア無効化)

 

今回はここまで。

活字多すぎ?画像ネタがないんですごめんなさい。